アクセサリーやジュエリーはどう作る?代表的な製作方法を解説

アクセサリーやジュエリーの代表的な作り方を、地金加工(金属を直接加工すること)、ロストWAX(金属ではなくワックスというロウソクのロウのようなものを加工して金属にする方法)、鋳造(金や銀を溶かして型に流しいれて商品形状にすること)、石留め(宝石を留めること)、仕上(ピカピカに磨いたり、好みの表面にすること)の流れで初心者向けに解説します。 「宝飾品がどんな工程を経て店頭に並ぶ仕上がりになっているのかぜひ知ってください」次はあなたの手から商品が生まれる番です♪

彫金加工のための銀や金などの板材料と線材料、ならびにワックス材料の写真
(左側)Silver.925(銀)・18金の板や線の材料 (右側)WAX材料

板や線から作る地金加工

Silver.925や18金などの宝飾金属を直接加工することを地金加工と呼びます。銀や金の板・線を切る、曲げる、叩き延ばす、ねじる、ロウ付け(くっつける)などの様々な加工をして形を作ります。
技術習得が必要ですが他の製作方法(WAX加工や機械加工など)に比べて 短時間で高精度の素晴らしい宝飾品に仕上げることが出来 、地金加工スキルがそのままプロの力量の差になります。
また、リングのサイズ直しや修理、一点物製作にも必須技術です。
作れる形状や質感は無限大で製作ジャンルに関わらず必ず身につけるべき加工技術になります。

原型を金属にするロストWAX

WAXで作った原型(金属にしたい形状とそっくりの形のもの)を石膏に埋没し熱を加えるとWAXが気化して作りたい金属の形状通りの空間が出来ます。そうしてできた空間へ銀や金など好きな金属を流しこみます。石膏は熱に強く水に弱い性質のため、その後水に入れることで溶け出し、流し込んだ銀や金が出てきます。
出てきた金属は決して販売出来るようなきれいな状態ではないため、地金加工技術を用いて表面をきれいにしたり、宝石を留めたり、模様を彫り込んだりしていきます。
スカルの顔など起伏の大きい立体的で量感のある形に向きます が、鋳造後の表面処理、寸法調整、巣(金属を流し込む際に混ざり込む空気の泡)の確認と補修仕上げが必要です。

貴金属地金を溶かして型に流し込んでいる鋳造技法の写真
金属を高温で熱して液体状に溶かし、型に流し込む鋳造(ちゅうぞう)の様子。

仕上で商品としての魅力を引き出す

地金加工やロストWAXで商品としての形状が完成したら本格的にアクセサリーやジュエリーに見えるように仕上げを行っていきます。
表面の歪みや擦り傷などを綺麗に削り取り滑らかにします。
この仕上作業は会社によって様々な道具や工程、方法が存在し、品質よりも作業に必要な時間の差が生まれます。
彫金家族では、数百種類の道具と組み合わせを試し「1秒でも早く、最短で商品品質へ仕上がる」工程を追求 しています。
その上で光り輝く宝石を留めていきます。また、手彫りなどでデザインの装飾も入れたりできます。次に、鏡面(ぴかぴかな状態)・つや消し・いぶし仕上(金属を黒くする)・テクスチャー加工(様々な表面加工)を施して遂に完成目前です。最後に、宝石がきちんと留まっているかの確認や全体の汚れをきれいに洗浄して完成です。
1日体験ではこの工程の一部を実際に行い、金属がジュエリーへ変わる面白さを味わえます。

製作過程のシルバーリング表面の傷を消し、光沢を出すために磨いている様子
製作過程のシルバーリング表面の傷を消し、光沢を出すために磨いている様子。

ジュエリー製作の技法は限られるが、作れるデザインは無限大『まるで料理のよう』

彫金では、デザインを考える時間、材料を選ぶ時間、加工する時間、宝石を留める時間、磨く時間、検品する時間がつながっています。
「料理に似ている」と思いませんか?
作るものを考える、食材を選ぶ、調理をする、味をつける、試食して味を調える。日本料理は「煮る・焼く・蒸す・切る・揚げる」の5種類の技法(五法)がほとんどですが、食材は無数にあり食べたことのない味がみなさん存在していると思います。
彫金も技術は有限で進化がありませんがデザインが無限のため、あなただけのオリジナルを生みだし自分もお客様も感動させることが出来るのが魅力です。1つのデザインでも地金加工、WAX加工、機械加工、鋳造、石留め方法、仕上方法などを目的でうまく使い分けることが難しくも面白いです。

ジュエリーの手書きデザインと完成した実物ジュエリー写真
デザインから始まりジュエリーとして完成させる面白さがあります

ジュエリーの美しさを左右する石留め加工

宝石をジュエリーに固定する「石留め(いしどめ)」は、彫金技法の中でも見栄えや価値を大きく左右する重要な工程です。
宝飾品は接着剤を使って宝石を固定しているわけではありません。
金やプラチナなどの金属自体で宝石を抑えて動かないように固定しているのです。

そのため、初心者の頃は宝石を傷つけたり割ってしまったりすることもあり、高い精度と繊細な技術が求められます。

代表的な技法には、最も一般的な「爪留め」、宝石を金属で囲む「ふくりん留め」、小さな宝石を数多く並べる「彫り留め」があります。
そしてそれぞれの技法の中に様々なデザインや構造をもつ留め方があり、全て合わせると100種類以上になります。

それぞれ耐久性や見た目が異なり、ジュエリーのデザインや用途に応じて使い分けられるようになると世界感がグンと広がります。
石留めの仕上がりが美しいジュエリーは、宝石本来の輝きを最大限に引き出し、高級感や完成度を大きく高めます。

必ずこの留め方をしなければいけないというルールはありません。
自分で自分のデザインに合う留め方を選んで良いのです。

そのため数多くの留め方を会得している人ほど様々な演出が出来るようになるのです。

アクセサリーやジュエリーに宝石を留めている作業風景
全ての天然石は人間の手でカットされ、人間の手で留められています

パソコンを用いた3D造型製作

1990年代後半頃から宝飾業界にはパソコンを用いてCADという3次元デザインを制作し機械で形にする技術が入ってきました。
機械の良さとしては、「正二十面体のペンダントを作りたい」など幾何学的なデザインなどに向いています。
ただし、地金加工などに比べて精度が劣り機械の痕跡が出てしまう点とパソコンのスキル習得がかなり難しい点、制作から完成まで最低1週間程度の時間がかかることから≪必須技術ではありません≫。
また、完成まで出来るわけではなく、金属に鋳造をしたり、宝石を留めたり、磨いたりといった工程は結局手作業になることを知った上での活用となります。

パソコンで制作したCADから造型出力してつくるアクセサリーの風景
パソコンでCAD制作し、造型機でレジンとして出力します。

1本の線からつくるワイヤーワーク

ワイヤーワークとは、金や銀などの金属線(ワイヤー)を曲げたり、丸めたり、ねじったりしながら美しいデザインを作り上げる彫金技法です。
一本の金線から立体的なフォルムや繊細な模様を表現できることが大きな魅力で、ペンダントやリング、ピアス、ブローチなど幅広いジュエリー製作に活用されています。

金属板を加工する技法とは異なり、曲線を活かした柔らかく優雅なデザインを作りやすく、手作りならではの温かみや個性を表現できます。
また、宝石を組み合わせることで、シンプルなワイヤー作品から高級感あふれるジュエリーまで自由自在に製作できます。

ワイヤーワークは比較的少ない材料から始められるため、彫金初心者にも人気の高い技法です。
一方で、美しい左右対称や滑らかな曲線を作るには経験と技術が必要となるため、奥深さも兼ね備えています。

ただ曲げるだけで良いのではなく、意図とする形状に曲げるために線を潰したり、削ったり、線同士をロウ付け(くっ付けること)したりと、様々な工程を盛り込みます。

ジュエリー製作や彫金技術を学ぶうえで、ワイヤーワークはデザイン力と加工技術を同時に身につけられる代表的な技法の一つです。

1本の金線からジュエリーが仕上がるさまの写真
貴金属線を手作業で曲げていくワイヤーワークが生み出すジュエリー

模様を彫り込むエングレービング技法

エングレービングとは、専用の彫刻刃物(タガネ)を用いて金属の表面に模様や文字を彫り込む彫金技法です。
ジュエリーや時計、金銀製品、仏具装飾、銃器、車・バイクのカスタムなど幅広い製品に用いられ、職人の手作業ならではの繊細な輝きや立体感を生み出します。

漢字などの「とめ・はね・はらい」装飾や美しい曲線、立体的でダイナミックな文様を得意とする日本独自の「和彫り」と、西洋で発展した筆記体や細くて細かい文様が得意な「洋彫り」があります。

それぞれ表現方法や使用するタガネが異なり、作品の雰囲気を大きく左右し、「和彫り」と「洋彫り」を組み合わせて使うことで無限大の表現につながります。

エングレービングは単なる装飾ではなく、金属の反射を利用して光を美しく演出する高度な技術であり、高級ジュエリーやオーダーメイドジュエリーの価値を高める重要な要素です。
10年放置したジュエリーでも光の反射による輝きを失うことはなく、一瞬で見た人の心を惹きつける魅力があります。

技術だけでも年収数千万円が目指せる習得難易度が高い技法となります。

18金クロスペンダントにエングレービングを施している写真
和彫り・洋彫りにて手作業ならではの高級感のあるデザイン彫りが施せます。

板から立体物が作れる鍛金(たんきん)技法

鍛金(たんきん)とは、金・銀・銅などの金属板を金槌や木槌で叩き、少しずつ形を作り上げていく伝統的な金属加工技法です。

金属を伸ばしたり、曲げたりしながら立体的なフォルムを生み出せるため、指輪やバングル、カトラリー、花器、オブジェなど幅広い作品製作に用いられています。

例えば、ぐい吞みを一点一点を手作業で仕上げることで金属表面に凹凸が生まれ、お酒と空気が触れる面積を絶妙に変え、口当たりを柔らかくし、香りを引き立たせる効果があります。

叩くことで薄くしながらも強度が上がり、熱伝導率が向上することから、材料費が1,500円程度しかかからない銅板を20万円以上の価格でも予約が殺到するプロ用の調理鍋に変化させてしまいます。

なお、鍛金とよく混同される「鍛造(たんぞう)」は、金属を叩くことで内部の気泡を潰し、結晶を整えて金属自体を強くする技法です。

日本刀の製造や工業用部品など、強度が最優先されるものに用いられ、鍛金の中の一つの技法としても位置づけられています。

鍛金技術を習得することで、デザイン性を重視した作品づくりができるのはもちろんのこと、機械では簡単に作れない複雑な形状を短時間で生み出すことが可能になります。

アクセサリーやジュエリー製作はもちろん、金工や工芸を学びたい方にとっても基礎となる重要な技術の一つです。

1枚の板を叩き続けていくことで出来上がるコップの写真
金属を粘土のように自然な立体形状にすることが出来るのが鍛金です

技法に縛られず自由にモノづくりを楽しむ

当コラムでは様々な技法をご紹介してきました。金属を直接加工して作品を作る地金加工、自由な形状を生み出せるWAX加工、宝石を美しく固定する石留め、金属表面に模様や文字を彫刻するエングレービング、一枚の金属板を叩いて立体へと成形する鍛金、そしてコンピューターで設計したデータから高精度な原型を作る3D造形など、それぞれに特徴があり、作りたい作品に応じて使い分けることが大切です。

近年のジュエリー製作では、1つの考えや文化に縛られずに様々な技法を組み合わせてオリジナルの表現を形にすることが一般的になっています。例えば、日本の伝統技術に海外の伝統文様を組み合わせたり、1つの宝石を留める際に複数の留め方を用いたりといった「自分だけの個性を演出する」ことで作品の価値をさらに高めることも珍しくありません。また、鍛金によって金属ならではの美しい質感や強度を引き出すことで、機械加工では表現しにくい温かみや個性を持つ作品を生み出すことができます。

それぞれの彫金技法を理解することで、自分が作りたいアクセサリーやジュエリーに最適な製作方法を選べるようになります。初心者の方はもちろん、プロを目指す方にとっても、各技法の特徴や違いを知ることは作品の完成度を高める大切な第一歩です。ぜひ、地金加工、WAX加工、石留め、エングレービング、鍛金、3D造形などの魅力や製作工程を知り、奥深い彫金の世界を楽しみながら学んでみてください。

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まず彫金の作業や楽しさを知りたい方は、1日体験から始めてみてください。既に作りたい商品や副業・ブランド開業などの目標がある方は、いきなり彫金プロ育成総合コースから始めていただくことも可能です。仕事にしたいわけではなく個人的に楽しみたいだけであれば趣味コースが適しています。分からないことや聞いてみたいことがあれば「お問い合わせ・無料見学」をご利用ください。

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彫金・ジュエリーの知識を、別の視点から深める

ジュエリーは、製作技法・素材・宝石・歴史・文化・市場が互いにつながる分野です。気になるテーマを読み進めることで、デザインを見る視点や作品づくりの理解をより深められます。

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彫金スクールの実務視点で編集しています

本コラムは、シルバーアクセサリー&ジュエリースクール「彫金家族」が、初心者の方向けに実務的な知識を得て頂くために制作しています。
技法・素材・歴史などは、作品作りへ繋がる実践的な視点から整理しています。

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未経験の方は、

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