い− 糸鋸
金属を直線、曲線に切るときに用いる工具です。
材料(地金やワックスなど)に合わせて、WAX用・金属用の刃があります。
刃の粗さとしては、細かい方から #8/0〜#10 まであります。

刃の向きは下に引いた時に切れるようにします。
切り始めには刃が入りづらいため、まず上に押し出し、さっと溝を作るような
気持ちで、そのまま下に引くとすんなりと切り始められます。

い− いぶし液
銀を浸すだけで表面に硫化反応を起こす液体です。
いぶし液を使用することにより表面が真っ黒になり凹凸感・重厚感が出ます。

特定の部分だけを黒くしたい場合には筆につけて塗るのがコツ。
また、いぶしをかけた後で研磨すると独特の黒光りした光沢感が出るので、
ハードなモチーフには作品をどっぷりと浸し、その後で研磨するととても良い
仕上がりになります。

か− 金床
地金を木槌や金槌などで叩いたりするための作業台です。

なましを入れた銀をこの上で叩いて伸ばしたり、形成したりする際に使用
すると便利です。タガネを打つ際にも大変重宝します。
硬い金属でできているため、地金を傷つけたくない場合には鹿革などを
引いて作業するのもオススメ。

き− 木槌
銀を叩く際に金槌では傷がついてしまうため、柔らかいカシ材でできた
木槌を用います。

サイズ直しの時は、サイズ棒に指輪を入れて木槌で叩きながらサイズを
直していくと綺麗に仕上がります。
また、「槌目」という技法は金槌で表面に凹をつけたものをいいます。

き− 銀ロウ
銀に真鍮を混ぜた合金で、銀より低い温度で溶ける性質をもっています。
接合したい部分に置き、熱により溶かして溶接するための材料です。
融点の高い順に2分・3分・5分・7分・9分・早ロウとありますが、これは
銀10に対して、真鍮がいくつの割合であるかにより異なっています。

銀ロウは酸化した金属には溶けないため、接合したい部分にはあらかじめ
酸化防止剤(フラックス)を塗らなければなりません。
また、銀ロウはあくまで密着した銀同士の間を流れていくだけのもののため、
接合したい部分は目で見ても隙間が分からないくらい密着させるのがベスト。
注意1)銀ロウは温度の高い方へ流れていきます。
注意2)早ロウは空気中で変色を起こしやすいため、作品の目につく所のロウ
     付けは早ロウは使わないようにしましょう。
注意3)銀ロウは同じような色をしており、目では区別ができないため、ケース
     に印をつけるなどして保管してください。

け− 研磨剤
ある程度仕上げが進んだ段階で、最後の鏡面仕上げをするときに使用する
のが研磨材です。
バフという先端工具をリューターで回しながら直接、研磨剤を擦り付けて使用
していきます。

様々な研磨剤があり、迷ってしまいますが、オススメは「ノンクロン」という研磨
材です。一般的に用いられている「青棒・白棒」もオススメ。
人によって使用する研磨剤が異なりますが、上記の研磨剤は特におすすめの
ため、一度使ってみてくださいね。

こ− 刻印
先端に文字やロゴが刻まれたもので、指輪などにブランド名や素材の証明を
入れるときに使用します。
写真の左から「直」「曲がり」「大曲り」といい、刻印するものの形状に合わせて
使い分けます。

指輪からペンダントまで様々な形状に刻印できる「大曲り」という刻印を使うと
大変便利です。
ご要望があれば、彫金家族でもオリジナル刻印の製作を致します。

さ− サイズ棒
アルミやプラスチック製の指輪のサイズを測るための道具です。
3号から27号まで測れるスタンダードなものがおすすめです。

地金から指輪を作る際には、サイズ棒に地金を押し当てて、木槌で叩きながら
綺麗な円に仕上げていきます。
また、サイズ直しなどにも使える一石二鳥の必須工具です。

す− スパチュラ
ワックスを削ったり、盛り付けしたりするための工具です。
先端が色々とあり、削ったり、彫ったり、整えたりとワックスの必須工具です。
最低6本揃えておけば一通りの作業はできます。

スパチュラの進化版として「ワックスペン」というものがあります。
これは先端にヒーターがついているのでアルコールランプ不要の便利品!
ワックスを頻繁に使用する方は是非購入してみてください。

す− すり板
地金を切ったり、ヤスリで整えたりする際に使用する工具です。
これがなくては彫金ができないというほどの重宝工具です。

中心に円形の切込みがあるタイプは、リングのサイズ直しにも使えるため
大変便利です。
実際の糸鋸作業において、のこ刃の向きを直角に移動する時には90度の
状態で素早く上下させながら行うとスムーズな角にできます。

ち−鋳造機
シルバーやワックスなどの原型から同じ形状のアクセサリーを複製する
ための機械です。
鋳造機には「圧迫式」「遠心式」「真空式」などがありますが、個人の方は
1万円ほどで揃えられる圧迫式を、工房や工場では量産可能な「遠心式」
「真空式」の鋳造機を使用します。

鋳造機は安くても8万円〜10万円以上しますが、1個・2個の生産には
ご家庭でも手軽に使える圧迫式もおすすめです。

は− バーナー
銀を熱したり、銀と銀を溶接したりする際に使用する加熱器具です。
銀は約960度で溶けますので、バーナーは1300℃以上出るものを
用いると作業が楽になります。
また、手元で着火できる彫金用のバーナーが大変便利です。

バーナーといっても様々なものがありますが、1300℃以上の炎が出て、
逆さにも使用できるタイプを選んでください。
また、ロウ付けという作業用に細口のバーナーを、なましという作業用に
太口のバーナーの2種類を使用します。

り− リューター
歯医者さんも使用している各種先端工具を取り付けて作業するための
必需品です。先端工具には、削ったり、磨いたり、穴を開けたりと様々な
ものがあり、リューターと先端工具でかなりの作業が行えます。
これがないと彫金はできないというくらい基本的な工具です。

初心者の方であれば3万円前後のものを、長く使っていきたい方には5万円
以上のものがおすすめです。金額が高くなるにつれての大きな違いとしては
高速回転でもブレがなく、負荷をかけても回転数が変わらないという特徴が
あります。また、足元で回転数を調整できるフットコントローラーも5万円前後
のモデルから対応しています。
リューター選びに困ったらお気軽にご相談くださいね。

わ− ワックス
ロウソクのような材質のワックスという原型製作用の材料です。(融点116℃)
ワックスを希望する形状にし、鋳造機を用いてシルバーにすることができます。
一般的にお店で販売されているアクセサリーはワックスを用いて製作してます。

ワックスは硬さにより「青(柔らかい)」「紫(普通)」「緑(硬い)」の3種類があり、
デザインにより使い分けて使用するのがポイントです。
 ※工具の使用方法については順次細かい工具まで解説していきます^^
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